toddler playing soccer

娘が通うドイツの保育園で驚いたことがあります。それは,子供同士が喧嘩の仲裁をするということです。日本の保育園では,先生が仲裁役となることが一般的ですが,娘の保育園では違います。喧嘩が起きると,子供たち自身が話し合いを進め,問題を解決していくのです。

このシステムを初めて聞いたときは,「本当に子供だけで解決できるの?」と不安になりました。しかし,実際にこの方法で育った子供たちを見ていると,その効果に驚かされます。特に感じたポジティブな変化をいくつか紹介します。

  1. 自己肯定感の向上
    自分の意見を相手に伝え,それが聞き入れられる経験を積むことで,子供たちは「自分の考えは価値がある」と感じるようになります。この自己肯定感は、成長してからも大切な基盤となります。
  2. 恐れずに介入する勇気
    娘は,祖父母が意見の食い違いで言い争いをしている場面に遭遇した際,躊躇することなく間に入ろうとしました。大人が感情的になる場面でも冷静に行動できる力が,幼い頃から鍛えられているのだと実感しました。また,大人側も幼い孫が一人前に仲裁に入ろうとしたことで,冷静さを取り戻すことができたようです。

保育園での仲裁プロセスは以下のように進みます。簡単な流れではありますが,子供たちが自分たちで問題解決を行う姿勢を養う効果的な方法です。

  1. 苦情を聞く– Beschwerde
    双方が自分の意見や気持ちを述べ,問題を把握する。
  2. アイデアを出す – Ideen/Vorschläge
    解決方法や妥協案を提案する。
  3. 決断をする – Entscheidung
    どのアイデアを採用するかを話し合いで決定。
  4. 解決策を実行 – Lösung
    決まった方法で問題を解決する。
  5. フィードバックを行う – Ist alles in Ordnung? “Reflexion”
    最後に「この解決策でみんなが満足しているか」を確認する。

このプロセスを繰り返すことで,子供たちはコミュニケーション能力や論理的思考力を身につけていきます。

このシステムが成り立つ背景には,ドイツ特有の保育園の構造があります。日本では学年ごとの横割りクラスが主流ですが,ドイツの保育園は年齢層による縦割りクラスを採用しています。例えば,0-1.5歳の赤ちゃんクラス,1.5-3歳の幼児クラス,3-6歳の幼稚園クラスのように,幅広い年齢の子供たちが一緒に過ごします。そのため,年長者が自然とリーダーシップを発揮し,小さな子供たちをサポートする機会が生まれます。

また,子供同士だからこそ,相手の気持ちや立場をより深く理解できることもあるのかもしれません。我が家でも,息子がまだ言葉を話せなかった頃,弟の泣いている理由をいち早く察していたのは,同じ子供であるお姉ちゃんでした。先生のような「大人の権威」ではなく,同じ目線に立つ仲裁者がいることで,子供たちは安心して自分の意見を表現できるのでしょう。

喧嘩の仲裁を通して,子供たちは小さな社会の中で自分の役割を見つけ,成長していきます。このような教育方針に触れることで,親としてもたくさんの学びを得られる日々です。

ドイツの保育園での教育方法は,どこでも一律に行われているわけではありません。各保育園/クラスごとにテーマが設定されており,その内容は先生の裁量によって大きく左右されます。娘が通うクラスのテーマは「民主主義(Demokratie)」で、喧嘩の仲裁や多数決を通じて子供たちの意見を反映する取り組みが行われています(多数決については別の記事で詳しく紹介したいと思います)。

一方で、息子が通う1.5-3 歳の幼児クラスでは「ベビーサイン」を取り入れています。まだ言葉で自分の気持ちを表現しきれない小さな子供たちが,動作を使って意思を伝える方法を学んでいるのです。それぞれのクラスが独自のテーマを持ち,子供たちに合った学びの場を提供している点がとても興味深いと感じます。

もし日本でもこのような方法を取り入れたら,子供たちのコミュニケーション能力や自主性がどのように変化するか,とても興味深いですよね。

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Mamamarie

ドイツ在住。二児のママ。

大学院卒業後,ポスドクとしてドイツで働く。リケジョ。

このブログでは海外での出産・育児や日常生活をシェア。海外生活で色々とカルチャーショックに直面しつつも,リラックスした子育てライフを発信していきます。

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