dark hotel room with curtains drawn

「日本人の平均睡眠時間は世界的に短い」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。厚生労働省の報告1によると,日本人の平均睡眠時間は7.6時間。それに対し,ドイツ人の平均睡眠時間は8.3時間と,日本よりも40分以上長いのです。

私も夫もドイツへ移住してから,日本にいた頃よりも1-2時間長く眠るようになりました。その変化を通じて,日本で暮らしていた頃は睡眠が足りていなかったことを痛感しました。

しかし,学士課程で睡眠と学習記憶の研究に携わっていた私にとって,睡眠が集中力の維持や記憶の定着に不可欠2であることは,当然の知識でした。だからこそ,自分は十分に睡眠をとっているつもりでした。それでも,実際には足りていなかったのです。

もしあなたが,過去の私と同じような症状を経験しているのなら,睡眠が足りていないサインかもしれません。

以前の私は,つまらない会議やセミナーではついウトウトしてしまうことがありました。しかし,ドイツで十分な睡眠をとるようになってからは,どんなに退屈な会議でも全く眠くならないのです。夕方以降の体力や集中力を考えて,試しに寝ようと試みても…眠れない!これには正直驚きました。

日本で生活していた頃の私は,日中でも寝ようと思えば,わりといつでも眠れました。でも,実は睡眠不足に陥っているからこそなせる技だったのです。加えて,過去の自分は集中力も奪われていたことを実感しました。現在では,会議やセミナーで格段に集中力を保ちやすくなりました。

日本では,通勤電車で座るとしばしば寝ていました。しかし,ドイツでは電車内で本を読んだり,考えごとをする時として有効活用できるようになりました。ドイツでは日本以上に身の回りの物に注意を払っておいた方がよいということもありますが…電車に乗っても全然眠くならないのです。日本の通勤電車での居眠りは,単なる習慣ではなく,睡眠不足の表れだったのかもしれません。

日本にいた頃は,常に多少の眠気を抱えていたためか,多少の体調不良も「普通のこと」として受け流していました。例えば,深酒をしても翌日の体調不良をそこまで自覚していなかったのですが,ドイツに来てからは,少しでも睡眠が乱れると体の変化を敏感に察知できるようになりました。

日本の住宅ではシーリングライトが主流で,部屋全体を明るく照らします。実際に一時帰国した際,実家の部屋が「夜でも明るすぎる」と感じました。この過剰な明るさが,自然な眠気を妨げ,就寝時間を遅らせる要因になっているのではないでしょうか。

一方,ドイツでは間接照明が主流で,オレンジ系の柔らかい光が一般的です。しかし,オレンジ系の光はリラックスには適しているものの,日中の活動にはやや不向きでした。そこで、我が家ではHueシステム3を導入し,

  • 日中は白い光で活動的に
  • 夜はオレンジ系の光に切り替え,自然な眠気を促す

といった環境を整えています。また,朝は日の出を模倣した目覚まし機能を活用し,徐々に室内を明るくすることで,スムーズに目覚められるのも気に入っています。

ドイツでは,夜に外出することはほとんどありません。仕事が18時頃に終わると,帰宅後はゆったりと過ごし,22-23時には就寝するのが一般的です。そのため,自然と8-9時間の睡眠が確保できます。

一方,日本では夜の娯楽が充実しており,遅くまで外出しても安全に帰宅できる環境があります。飲み会,ショッピング,カラオケなど,夜遅くまで活動できる選択肢が多いため,結果的に睡眠時間が削られがちです。

さらに,日本では仕事の影響で帰宅時間が遅くなることもしばしばありました。加えて,

  • 通勤・通学の電車内の強い照明
  • コンビニや街灯の脳を覚醒させる光

といった要因も,身体が睡眠モードに入りにくい環境を作っています。日本の夜は、遊びにせよ,仕事にせよ,「オフ」に切り替えにくい構造になっているのです。

睡眠時間の確保は,単なる健康管理ではなく,集中力や体調,生活全般に大きな影響を与える重要な要素です。日本で「当たり前」だった眠気や体調不良は,実は慢性的な睡眠不足によるものだったのかもしれません。

私自身,十分な睡眠をとることで,

  • 退屈な会議や移動時間に眠くならない
  • 体調の変化に敏感になり,健康管理がしやすくなる

といった,ポジティブな変化を実感しています。

日本の「眠らない文化」は,便利で楽しいものですが,その影響で知らず知らずのうちに健康を損なっている可能性もあります。ドイツでの生活を通じて,睡眠の重要性を再認識した今,皆さんも自身の睡眠環境を見直してみてはいかがでしょうか?


自分にとっての最適な睡眠時間を知る方法の1つに,「真っ暗な部屋でアラームをかけずに寝て,自然に目覚めるのを繰り返す」というシンプルな方法があります。

ポイント

初めのうちは,睡眠負債を返済すルために長く寝る可能性がありますが,数日経つと自然に自分の生理的な睡眠リズムがわかってきます。

  • 睡眠環境を整える(完全に暗い部屋,快適な温度,静かな環境)
  • アラームをかけずに寝る

とはいえ,私のように「子育て中だと無理!」と感じる方もいるかもしれません。そこで,今の私が実践できる範囲で調整する方法を考えてみました。

忙しい人向けの実践方法
  • できる範囲で睡眠環境を整える(なるべく暗い部屋,快適な温度,耳栓の活用)
  • 数日おきに30分ずつ入眠時間を早める(アラームより先に自然に目覚めるタイミングを探る)

子供と同じ就寝時刻にいきなり合わせると,夜中に覚醒しやすくなるため,無理に早寝をするのではなく,段階的に睡眠時間を調整していくのがベストです。

  1. 厚生労働省資料,図表1-1-23 睡眠時間の国際比較https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/backdata/01-01-01-23.html ↩︎
  2. The Impact of Sleep on Learning and Memory, University of Pennsylvania
    https://www.med.upenn.edu/csi/the-impact-of-sleep-on-learning-and-memory.html ↩︎
  3. Philips社,Hueシステム
    https://www.philips-hue.com/ja-jp ↩︎

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Mamamarie

ドイツ在住。二児のママ。

大学院卒業後,ポスドクとしてドイツで働く。リケジョ。

このブログでは海外での出産・育児や日常生活をシェア。海外生活で色々とカルチャーショックに直面しつつも,リラックスした子育てライフを発信していきます。

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