赤ちゃんが産まれてホッとしたのも束の間,最初の難関は授乳だと思います。
「こんなに痛いだなんて聞いてなかった!!!!!」と叫びたくなるほど,私にとっては「痛い」の連続でした。
難関① 普通ならコリっとしているママの乳首を,赤ちゃんの歯茎でなめされます。1ヶ月半もすれば,おしゃぶりの乳首のような柔らかさになるでしょう。そうすれば何の痛みもなくなります。それまでがつらい!そして耐えるしかない!!
私自身,乳首をガードするシリコンを使ったりしましたが,とにかく乳首が柔らかくなるのを待つしかありませんでした。
難関② 産後すぐは「全然出ないな〜」と思っていても,3-4日後くらいから母乳の大量生産が始まります。私のおっぱいはパンパンに張り,授乳の際には母乳が吹き出ました。どうやら私の身体は母乳を生産しすぎるタイプだったようです。
赤ちゃんに吸われていったんはおっぱいが軽く・楽になるものの,次の授乳までに体が母乳を作り過ぎてしまい,またおっぱいが張ってしまい,最初の頃はつらかったです。これも赤ちゃんが母乳を飲んでくれる量と,ママの体で母乳を作る量のバランスが取れるようになるのを待つ必要があります。
母乳の過剰生産を抑え,赤ちゃんの需要と一致する量に生産を調整したい時に用いる方法としてヘバメから習ったのがブロック授乳法(Blockstillen)です。
日本ではあまり馴染みのないブロック授乳法(Blockstillen)だと思いますので,解説していきます。
目次
授乳をすると脳に「母乳を作れ!」とフィードバックがかかる
ブロック授乳法が,どのような体内の反応を利用するのかを理解するために,まず一般的な授乳で脳とおっぱいの間でどのようなフィードバックがかかるかを理解していきましょう。
一般的な授乳法では,片側ずつ両方のおっぱいを赤ちゃんに吸わせて,両方のおっぱいを空にしてもらいます。おっぱいから母乳の蓄えがなくなると,脳にフィードバックがかかります。そうすると新たな母乳を作るために,脳下垂体からプロラクチンというホルモンが分泌されます。プロラクチンがおっぱいの乳腺に作用し,母乳が生産されます。次の授乳時間(~3時間ほど経つと)になると,生産された母乳でおっぱいが満たされます。

ブロック授乳法は「母乳を作る必要がない!」と脳を騙す
一方,ブロック授乳法では片側のおっぱいのみ授乳し,もう片方をぱんぱんに張らせたままにしておきます。脳に「赤ちゃんが母乳を飲んでおっぱいが空になった」というフィードバックをかけず,ぱんぱんに張ったおっぱいを保つことで「おっぱいが満杯です!これ以上作らないで!」というフィードバックをかけることが目的です。それによって,プロラクチンの分泌を減らし母乳の減産を目指します。
次の授乳前(前回の授乳から~3時間後)には,両方のおっぱいが満杯。特に,前回のターンで授乳しなかった方のおっぱいは爆発寸前かもしれません。この回では,前回授乳しなかった方のみをあげます。どちらか一方のおっぱいが満杯の状態を維持することで「おっぱいが満杯!→母乳を作る必要なし!」というフィードバックをかけます。とはいっても,授乳育児をしている状態のママの体内でプロラクチンの分泌が完全に停止することはないので,おっぱいが張った状態を維持することでブレーキをかけるイメージです。
もし,前回の授乳で赤ちゃんが空になるまで飲み切らなかったら,完全に片方のおっぱいの母乳ができるまで同じ方を吸わせます。一方が空になったところで,もう片方のおっぱいに移ります。ヘバメいわく,「両方のおっぱいに余裕があると母乳の生産が加速するので,なるべく片方のおっぱいを張らせておくことが肝」とのことでした。
Tips: 爆発寸前まで張ったおっぱいから授乳するときに赤ちゃんが咽せないようにする方法
爆発寸前まで張ったおっぱいから授乳する際に,いきなり赤ちゃんの口に乳首を咥えさせて授乳を開始すると,勢いよく母乳が噴射しすぎて,ほぼ間違いなく赤ちゃんがむせます。赤ちゃんがむせるのを回避するためには,以下の方法が有効です。
Tips 1: 圧抜きする
授乳開始前におにぎりを握るようにおっぱいを両手で挟んで,内圧を軽くします。乳首を触らずにおっぱいを握るだけでボタボタと母乳が出てくると思います。
Tips 2: 仰向けの授乳姿勢をとる
授乳開始時にソファーやベッドに浅く腰掛けます。その状態で赤ちゃんの口に乳首を咥えさせます。飲み始めたら,ママと赤ちゃんは合体したままの状態で,ママが仰向けの体勢まで寝転びます。ママが仰向けになることで,重力による母乳を押し出す力をなくします。
ブロック授乳法をするときの注意点
授乳後はおっぱいを冷やす
乳腺で母乳が大量生産されないように冷やします!母乳はおっぱい中の毛細血管中の血液から作られるため,冷やして血管を収縮させることで,母乳の生産量を減らします。
何より授乳後におっぱいを冷やすのは単純に気持ちがいいです!ほてった体をクールダウンさせるのは気持ちがいいですよね。
ドイツではLansinoh社からおっぱい用のアイスパックが売られています。これを冷凍庫に入れておき,授乳後に使っていました。切れ込みが入ったドーナッツ型をしているので,授乳ブラとおっぱいの間に差し込んでいました(乳首はドーナッツの穴の位置にくる)。
こちらの商品,温めることもできるので,おっぱいの出が悪い場合に授乳前や搾乳時におっぱいを温めることも可能のようです。
また,ドイツにはクアーク(Quark)と呼ばれるヨーグルトとチーズの中間のような謎の乳製品があるのですが,それでパックすることをヘバメには強く勧められました。鎮静作用があるとか。テクスチャーはギリシャヨーグルトとフレッシュチーズの間の硬さです。
それを「授乳後のおっぱいに塗りなさい」と。言われた通りに直接塗ったら,半分乾いたクアークを落とすのが大変でした。
落とすのが大変すぎる!と文句を言った後に習った方法が,こちら。
キッチンペーパー2枚をドーナッツ型に切り,間にクアークを塗ります。キッチンペーパー2枚に挟まれたサンドイッチ状態を2セット作ります。それを冷蔵庫に入れておき,授乳後におっぱいに貼る。仰向けの状態で10分程度貼っておきます。
こちらの方法,クアークの直塗りよりはだいぶ落とすのは簡単ですが,ホエイが脇を通って背中に回るし,おっぱいに酸っぱい匂いがついてしまうので,パック後のシャワー必須です。ヨーグルトでも同じようなことができそうなので,面白半分,興味がある方は試してみてください。
【重要】おっぱいに詰まりはないかを常に観察
おっぱいが張っている状態を保つということは,その分,乳腺炎にもなりやすいです。おっぱいに硬いところはないか(詰まっていないか)に注意を払うことが大変重要です!!少しでもおっぱいに違和感を覚えたり,悪寒がしたら,ただちにブロック授乳法は中止し,詰まりかけているところに赤ちゃんの顎が当たるような体勢で授乳してください!!乳腺炎になると本当に辛いので,なる前に事前に対策をとることが重要です。
ブロック授乳法は,おっぱいが張った状態を常に維持することで,充分量母乳があると脳をハックする方法です。常におっぱいを張らせるので,乳腺炎のリスクが上がることも理解した上で,もし過去の私のように,母乳が出過ぎて困っているママがいたら,減産するための調整術としてトライしてみてください。母乳の生産量と赤ちゃんが飲む量の均衡がとれて,早く授乳が軌道に乗ることを祈っています。







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