遠足の行き先は子供達が決める!ドイツ保育園のKinderkonferenzがすごい

「ママ,いま保育園で“Demokratie(民主主義)”を学んでるよ!」

ある日,娘がそう教えてくれました。まだ5歳なのに,民主主義?と驚きつつ,話を聞いてみると,その学びの舞台はなんと保育園で行われる「Kinderkonferenz(子ども会議)」だというのです。

子どもたちが自分たちの生活に関わるテーマについて議論し,最終的には投票で決定する——そんなプロセスが,3~6歳の保育園児たちの間で自然に行われていることに,感動を覚えました。

娘が通う保育園では,定期的に「Kinderkonferenz(キンダーカンファレンス)」が開催されています。議題は,遠足の行き先や園庭の遊具の選定,教室の模様替え,そして日常の不満とその改善策まで多岐に渡ります。

もちろん議題は先生がある程度の方向性を示すものの,内容に関しては子どもたちの意見が尊重され,話し合いの末,多数決で決定されます。

大人がすべてを決めるのではなく,子どもが自ら考え,意見を発表し,話し合い,選ぶ。このプロセスこそが「民主主義の実践」であり,小さなころから「自分ごととして社会に関わる」姿勢が自然と育まれているのです。

候補地は,大きな公園,動物園,子ども向けの展示会など。単なる投票ではなく,まずパズルを解かないと候補がわからないという仕掛けもあり,子どもたちがワクワクしながら議論に参加できる工夫がなされています。

「いつも同じ子が使っててズルい!」という声から議論が始まりました。年上の子が有利になりがちな問題に対し,話し合いの結果,当番制の食事の配膳係と組み合わせ,その役割を担当する日にソファーの優先使用権が与えられるルールができました。まさに“建設的な解決策”!

人形遊び,本読み,ブロック遊びなどの各エリアの人気や使いやすさを考慮して再配置。より快適で楽しい空間を,自分たちの手で作り上げていく経験が,自己効力感にもつながっているようです。

私自身は日本で幼少期の大半を過ごしました。そこでは,トップダウンのルールが当たり前で,校則に疑問を持つ余地すらほとんどありませんでした。

例えば,肩につく髪は必ず結ぶ,ゴムの色は黒限定,スニーカー禁止で革靴着用。男子は登下校時に革靴でバスケをしていたので,すぐにボロボロになっていたし,捻挫のリスクもありました。今振り返ると根拠が曖昧なルールに従うことが「常識」でしたが,それを疑うことすら許されない空気がありました。

生徒会もまた,「受験に有利だから」といった理由で立候補する生徒が多く,建設的な議論や改善提案をする場にはなり得ていなかったように思います。これは生徒たちの意識の問題というよりも,「子どもは大人に従うもの」という日本社会の刷り込みが,構造的に存在していたからかもしれません。

だからこそ今,娘の姿を見ていると,心から羨ましく感じるのです。 幼いころから「自分にも発信する権利がある」と実感できること。 そして,「自分の意見には意味がある」と信じられる環境に身を置いていること。 それは,未来を生きる子どもにとって,かけがえのない学びだと思います。

娘が日々経験している「自分の声が届く場所」,そしてその声が仲間と議論され,現実を動かしていく経験。これは,単なる「遊び」や「ごっこ遊び」ではなく,民主主義の真髄を幼少期から実感として学べる貴重な機会だと思います。

自分たちの意見が尊重される環境が,子どもにとってどれほど大きな意味を持つのか。そうした場を持つことで,未来の社会を担う市民が育まれているのだと,娘の姿から実感しています。

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Mamamarie

ドイツ在住。二児のママ。

大学院卒業後,ポスドクとしてドイツで働く。リケジョ。

このブログでは海外での出産・育児や日常生活をシェア。海外生活で色々とカルチャーショックに直面しつつも,リラックスした子育てライフを発信していきます。

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